Chapter 01 — Problem
スマホに、時間を奪われていた。
私はエンジニアで、スマートフォンというテクノロジーを愛しています。手のひらの上で、地図にも、辞書にも、カメラにもなる。こんなに面白い道具はないと、今でも思っています。
それでも最近、自分のスマホへの依存度が、あまりにも高まっていると感じるようになりました。
たとえば、読書をしているとき。気になったことを調べようとスマホを手に取ったはずが、そのまま本に戻れなくなってしまう。そんな経験が、ままあるのです。
暇な時間ができたら、かつては音楽を聴くのが癖でした。それがいまは、なんとなくスマホを開いてしまっている。
Chapter 02 — Turning Point
意志の力では、勝てないと認めた。
「今日こそ触らない」と、何度も決めました。通知を切る。画面を伏せて置く。別の部屋に置いてみる。それでも、気づけば手が伸びている。
考えてみれば、当然のことでした。スマホの向こう側にあるアプリは、世界中の優秀な人たちが「つい開きたくなるように」磨き上げたものです。それに個人の意志だけで勝ち続けるのは、そもそも無理がある。意志が弱いから負けるのではなく、勝てない勝負を挑んでいただけだったのです。
それでも、私はスマホを悪いものだとは思いません。大切なのは、遠ざけることではなく、コントロールすること。
意志ではなく、仕組みでコントロールする。それが、mokuの出発点です。
Our Answer
意志の力に、
頼らなくていい。
Chapter 03 — Answer
「開かない」という優しさ。
mokuは、集中したいあいだだけ、選んだアプリが「タップしても開かない」状態になるアプリです。
大切にしたのは、全部を取り上げないこと。連絡アプリは使えるまま、ゲームだけを閉じる。調べ物のアプリは残して、SNSだけを閉じる。生活はそのままに、誘惑だけをそっと遠ざけます。
画面の中では、キャラクターの「moku」が3Dの小さな部屋で暮らしています。あなたが集中しているあいだ、mokuは歩き回ったり、眠ったり。がんばるほど、mokuと過ごす時間が増えていきます。禁止される時間ではなく、静かな相棒と過ごす時間にしたかったのです。
名前の由来は、静けさを意味する漢字の「黙」。黙々と何かに向き合う時間は、それだけで少し誇らしいものだと思うのです。

Chapter 04 — Craft
デジタルの鍵を、木でつくる。
ただ、アプリだけでは越えられない壁がありました。ロックをかけるのも自分なら、解除するのも自分。本気でやめたくなったとき、指先ひとつで元に戻れてしまいます。
だったら、解除の鍵をスマホの外に置いてしまえばいい。そうして生まれたのが、木でできた1枚のカード「mokuカード」です。

解除にカードが必要な設定にすると、スマホにカードをかざすまでロックは外れません。勉強のあいだ、カードを親に預ける。外出するとき、家に置いていく。寝室には持ち込まない。カードの置き場所を決めることは、そのままスマホとの距離を決めることでもあります。
デジタルから離れるための道具が、デジタルの顔をしている必要はない。そう考えて、素材には木を選びました。1枚ずつ手作業で仕上げた、木目の違うカードです。
Chapter 05 — Future
黙々と過ごせる時間のために。
mokuは、スマホを敵にするためのアプリではありません。使いたいときには思いきり使って、集中したいときには静かにしていてくれる。スマホを「最高の相棒」だと思えるように——そのために、このアプリを開発しました。
コーヒーと本の30分。家族と囲む食卓。灯りを消したあとの眠り。スマホを気にせず黙々と過ごせる時間が、あなたの毎日に少しでも増えたなら、これほど嬉しいことはありません。
黙々と取り組む時間をもっと大切にできる。mokuはこれからも、そんなサービスを目指していきます。

たみな涼介
ゆとりソフト / moku 開発者

